感情的になってクレームを持ち込まれる患者・家族やいわゆる「悪質クレーマー」といわれる人がいます。このような難しい患者・家族に対して、どのようなファーストコンタクトをとればいいのかについて考えましょう。
そもそも、「誠意を見せろ」「責任者を出せ」「お前ではだめだ!」など、感情的になっている患者に対しては、最初から理性的な対応はできません。
何よりも落ち着いていただく必要があります。感情的な患者に対するファーストコンタクトは「緩和」の一事につきます。

カウンセリング・心理療法からのアプローチ

カウンセリングや心理療法では「目標や問題を解決したり、意図した方向に誘導するようなカウンセリング」と、「誘導せず、患者のそのままを受け入れていくカウンセリング」があります。
「患者の症状や問題行動をコントロールして改善しようとはしない」カウンセリングは、患者に好意的な態度を示して、患者のことを全面的に受け入れます。そうすることで、やがて患者は患者自身のことを肯定して、自己意識を正しい方向に自らコントロールするようになるということを目指しています。
感情的なお客様のクレーム対応においても、このカウンセリング方法がたいへん役に立ちます。

カウンセリング・心理療法からのアプローチ

患者からみて、医療サービスが期待を大きく裏切るものであった場合、そのような裏切り自体が、患者に対する精神的攻撃だと解釈できます。
このような「被害者意識」が強い精神状態にある患者に対して、スタッフは「なぜ、それくらいのことで怒るのか?」と思うかもしれません。
しかし、患者の立場に立てば、まったく違う感情がわくことでしょう。
精神的に抑圧された状態の患者を、まずは、そのままの姿・内容で好意的に受け入れ、どんなにひどいことを言われても、それは「患者がひどい扱いを受けているから、しょうがないのだ」と考えるようにします。
そして、患者が自ら感情をコントロールできるようになるまで待つようにしましょう。
そうすれば、きっと、問題解決に向けた合理的な交渉ができるようになるからです。
もし、患者の感情コントロールがなかなか改善しないのであれば、少し介入する必要があるかもしれません。